T−belt、T−belt tensionerの交換についてver2.0

(図解は、全部で5枚あります。作業の際は予めこれらの図面をプリントアウトしておくと良いでしょう
pic1.jpg 、 pic2.jpg、 pic3.jpg 、 pic4.jpg pic5.jpg

はじめに、145での交換作業は初体験(若干、プロからのアドバイスは事前にうけ
ていましたが)で、記録を綿密に取る余裕がなかったので、うろ覚えの点があること
をお断りしておきます。ただ、あいまいな点は?マークなどでその旨記したつもりで
す。また、96年モデルを対象としており、その後のモデルでは変更が有り得ますの
で、念のため。 ver2.0では、フェーズ4を整備されたときの経験が活かされています!

また、この資料は、作業前にバルブタイミングがきっちり合っていることを前提にし
、タイミングを《元のままに組み付ける》手順をしめしており、何らかの原因でタイ
ミングをずらしてしまうと、ディーラーのご厄介になるはめになりますので、ご注意
ください。(著者の場合は、概略、以下の手順で無事、成功しました。)また、旧T
ベルトがすでに歯飛びしていたり、伸びたりしている場合は即、ディーラー行きです。

ベルト類の全体像を見ておく(重要)pic2.jpg

[工具の自作]

KSFさんによる、自作の工具。TSエンジン・ベルト張り替えの三種の神器?
平坦な板2枚が工具1。
ネジにカムが付いているのが、プロに依頼して作ってもらったという工具2。
長い板に、ネジが2本突き出しているのが、工具3。

(工具1)cam sprocket を固定する工具2片。

まず、固定の必要性ですが、TSエンジンでは、可変バルブタイミング機構のため、
tベルトをいきなり外すとカムシャフトがかなりの力で勝手に回転しようとするそう
なのです。回転したら厄介なので固定する必要があります。固定の方法は、いくつも
あると思いますが、私は、2つのsprocketの歯の溝に引っ掛けて突っ張る鉄の板二枚
を使いました。プロは、40センチくらいの柄に2本の6センチ長さの角(ツノ)の
ついた自作工具、や、cam自体を押さえ込んで2本のcam shaftsを固定するメーカー
提供専用工具(私は見たこと無い。)を使うようです。

* 一片は、長さx幅x厚さ=66.5mmx30mmx5.5mm 
* もう一片は、59.7mmx30mmx5.5mm         
       ――― 両端の同じ面の厚みを45度くらいに削って、先端厚みを1mm程度
に仕上げる。
 
【長さが重要。若干短めに仕上げて、当たり面に厚紙な
どをかませるほうがスプロケットに優しい(?)。スプロケットをいためない様にサ
ンドペーパーなどで当たり面をできるだけ滑らかに仕上げる。鉄板はホームセンター
などで購入可(?)。金切り鋸、やすりなど必要。バイスがあるとやりやすい。】

工具の図面を見る

(工具2)T−belt tensionerの爪を押してtensionerをベルト張り方向に動かす工具1個。

8mm径、長さ100mmくらいのボルトとそのナット、各一個。および、厚さ5〜10mm
、直径19mmの鉄円柱一個。この円柱の偏心したところに8mmボルトの雌ネジを切る。ボ
ルト先端から15mmのところに偏心円柱をダブルナットの要領で固定して、camとして
機能させる。  【ネジを切るタップが必要。 偏心円柱をボルトにダブルナットで締め
付けていますが、本当は溶接するのがよく、そうすれば、この工具は半時計方向にも
回せて、作業がよりやりやすい。】
 

工具の図面を見る pic1.jpg
 

(工具3)crank shaftを回す工具2個。

* 鉄板(長さ250mm程度)の一端に、長さ方向に43.5mm間隔で2本のボルト(径8mm、長
さ首下40mm程度)をツノ状にナット締めで立てたもの。
* 鉄板(長さ250mm程度)の一端に、長さ方向に70mm間隔(?未確認)で2本のボルト
(径10mm、長さ首下80mm程度)をツノ状にナット締めで立てたもの。 【柄が長すぎる
と十分な角度(90度以上)回せない。ドリル、ドリル刃など必要。】

工具の図面を見る pic1.jpg
 



 

[概要、introduction]

TSエンジンではベルトは3本ある。

上、multi-groove belt(補機類駆動用)
左、timing belt
右、balancer belt

3本のベルトは、エンジンに近い方から、

(1)タイミングベルト(片面歯付き。スプリングテンショナー付きアイドルプーリー有り
。以後、Tベルトと呼ぶ。)

(2)バランサーベルト(両面歯付き。自動テンショナーなし(だと思うが、未確認)。テ
ンションが比較的弱いので、長いマイナスドライバーなどで張ることが可能。以後、
B−ベルト。)

(3)マルチグルーブベルト(歯無し多溝付き。スプリングテンショナー付きアイドルプ
ーリー有り。以後、Mベルト。)

の順。
 

今回、(1)のTベルトとそのテンショナーを交換するが、そのためには外側の(2)、(3)も外す必要がある。

作業の要点は、正しく元通りに組み上げること、である。 【逐一、メモしながら取
り外しを行っておくのが望ましい。作業のかなりの部分で寝板(creeper)が
必要。】 


[一般的注意]

1.
レンチなどを使用してボルトを締めたり緩めたりする時、体の姿勢によっては怪我を
したり、締まりの正しい強さが感じられないので、正しい姿勢を保ちながら作業をす
ること。

2. ボルト類を締め過ぎないこと。《アルミはネジ山が壊れやすい!》

3.
工具のサイズが合っており、しっかりと工具が噛んでいることを確認してから、正し
い方向に力を加えること。《作業を急いでいる時は特に要注意!》

4.
ボルトのトルク管理に慣れていない場合は、はじめてボルトを外すときに、いっ
たん、すこし(角度90〜270度くらい)緩めて、又すぐに元の位置《近く》まで
締めてみて(決して元位置以上まで締めこまないこと!!)、元の締まりの強さを体
で覚えておくか、トルクレンチで測って記録しておくこと。
 

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