このディーラーに、
支払った分だけの仕事をさせるのは大変だ。
3/31の作業で、またまた粗相
約束通り、3/31の朝9時にA氏がローダーにて我が家に迎えにきた。
お猿号をローダーに載せ、Dに到着。
10時過ぎからリフトアップして作業開始。
リフトアップ時に早速記念撮影(!)
前回の仮修理(国産車用の弱いバンドによるもの)から
2週間弱で、この漏れだし。右写真の、ロアアーム部分に滴下したグリースに注目!
固い材質で作られた輸入車のドライブシャフトのアウターブーツを、国産車用のバンドで留めることは不可能であることがよくわかる。
柔らかい素材のブーツ(国産車等)は、このような薄っぺらい弱いバンド(ねじしめタイプ)でも充分CVJグリースの漏れを
予防できる。
さっそくメカニックのN氏によって左ドライブシャフトを抜き取る。
アウターブーツの内側小バンドからのCVJグリース漏れが顕著。
同部を純正のバンドへ交換(ツメで位置決めしてカシメプライヤーにてかしめるタイプ:以下カシメタイプ)
抜き取られたドライブシャフト。写真右がアウターブーツ。
因みに、インナーブーツ(写真左)は国産車同様の柔らかいゴム素材でできている
ため、国産車用の弱いバンドで充分である(漏れがみられない)。
純正のアウターブーツ内側用バンド(カシメタイプ)
緩い状態で、ツメとツメを合わせておいてから、
このカシメプライヤーで、「コ」の字型の部分をかしめることで、
バンドを圧着する。
装着は容易で、強力に留めることができる。
せっかくドライブシャフトを抜き取ったので、ミッションケース部分のオイルシールも交換(整備保証にて)。
次に、アウターブーツの外側大バンドの交換に取りかかる。この純正バンドは、
小さい引っ掛け穴に専用工具をあてがい、強い力で引き寄せてツメで固定するタイプ(以下ツメタイプ)だ。
慣れない手つきで、一生懸命力を振り絞って、ラジオペンチや小型マイナスドライバーなどで圧着しようと試みるが、ツメとツメが全く引っかからず作業が進まなくなる。
ここで、お猿が「専用工具があるんじゃないの?」と突っ込みを入れると、Dマンは
スナップオンやアストロプロダクツに電話して聞いてるみたいだったが、どうやら
カシメプライヤーで引っ掛けて圧着すれば良いらしいということになり、再度トライするのだが。
このカシメプライヤーと、ツメタイプバンドの引っ掛け穴は全く適合しないので、ちょっと強い力
をくわえると、工具がすべってしまう。(間違った工具では整備できませんね)
純正、アウターブーツの外側用バンド(ツメタイプ)。ツメタイプバンド専用のプライヤーを用いて
強い力で収縮させた瞬間に、バンド上のツメとツメを合わせて留めるタイプだ。
所定の位置でツメとツメを合わせた状態。
午後1時過ぎまでこのような状況でらちが空かないので、お猿は「大バンドのほうは、グリス漏れは
ほとんど無さそうだし、今回はいじらなくてもいいのでは・・・」と提案。
再度国産車用の弱いバンドを取りつけ
「経過観察にしてみては?」と持ちかける。
ちなみに、ツメタイプ、カシメタイプ、ねじしめタイプを比較してみるとこんなかんじ。
上から、ツメタイプ(純正:アウターブーツの外側用)、カシメタイプ(純正:アウターブーツの内側よう)
ねじしめタイプ(国産車対応の汎用品、ブーツの上に2重に巻きつけて専用工具用いて巻き上げる)
左;国産車対応の汎用品(ねじしめタイプ)、中;純正ツメタイプ、右;カシメタイプ
左の国産車対応の汎用品はバンドの厚みが他の二者にくらべて薄い。
強い力を加えることは想定されていないと思われる。
次に、右側のドライブシャフトを外した(この作業にあたってはマフラーや後部エンジンマウントを外さなければならない)。
こちらも、左側と同様、アウターブーツの内側小バンドだけ交換して組み付ることとした。
そのとき、お猿は、ABSセンサーのあたりにCVJグリースの飛散しているのを発見し、
外側大バンドの交換も必要と思われると指示した。
アウターブーツの外側からもCVJグリースの漏れを発見。
ABSセンサーの汚れが尋常ではない。
再度外側の大バンドの装着が始まるのだが、ここからが、またまた悪戦苦闘。
先述の方法では装着不可能であることは自明であるにも関わらず、むやみに
同じことを繰り返す。
ここで、お猿は「カシメプライヤーの先にツメのついたような型の工具があれば、
引っ掛け穴と工具がうまく適合して装着できそうだ」と持ちかけると、メカN氏は、
カシメプライヤーの先端を細くツメ状にするべく、回転ヤスリにて加工を始めた。
たしかに、この方法で引っ掛け穴に工具が適合するようにはなったが、プライヤー側の
強度不足により力をかけるとともに呆気なく破損。2組のカシメプライヤーが鉄屑と化した。
「もう、ココ(D)にある工具では不可能なんじゃないですか?
石○自動車や、ガレージMの森(以下Mと略す)等に聞いてみるしかないんじゃないですか?」
と言いはらい、
Dの代車を借りて昼食に出かけた。
幾度も、間違った工具にて力を加えられ
グニャグニャに曲がってしまったツメタイプのバンド。
再びDに戻ると、(M)から専用工具を借りる手配がされていて、
まもなくツメタイプのバンドを締め付ける専用工具(ツメ用プライヤー)を用いて外側大バンドの
装着が始まった。
が、このツメタイプのバンドを取りつけるには、ツメ用プライヤーを握るのに非常に強い力を要し、
なかなか所定の「ツメ」同士が引っかかってくれなかったが、右側だけは何とか成功。
その後、左側にもトライするものの、強い力をくわえることで、
小さな引っ掛け穴が大きく広がってしまい上手く力を加えることが出来なくなってしまうトラブルが
続出。数本用意してあったスペアのバンドの全てを使い切ってしまう。
結局純正の「ツメタイプのバンド」装着はあきらめ、ブーツの素材が柔らかい国産車に
対応したねじって簡単に締めるだけの弱いバンド(ねじしめバンド)にて再度仮固定。
(左側は、またもや仮固定!またまたCVJ グリスが漏れてくるね;あくまで仮固定)
ここで、A'課長は純正のバンドを再度手配するか、なにか別の方法を調べて作業をさせて欲しいと
言われたが、これまでの作業実績と、今朝からの作業に立ち会った結果、
とても安心して任せることはできない旨を告げ、次回の左側の作業はぜひ
工具を拝借してきた(M)にて行いたいと伝える(勿論作業工賃はD持ち)。
すると、A'課長は「(M)だって、汎用のバンドを輸入車全般に使用して問題無いといってましたよ」と
切り返してきたので、
「じゃぁ、どのような汎用バンドを使っているのか、今すぐ、電話で聞いてみて貰えますか」と言ってみる。
すると、どうやら(M)ではカシメタイプで汎用(様々な径に対応)のものを使用してることが判明。
アルファロメオ純正のアウターブーツ外側用バンド(ツメタイプのバンド)は、装着が困難であることが理由らしい。
このカシメタイプのバンドは輸入車に純正採用されているものと同じタイプであり、
締め付けに強い力を要する欧州車の固いアウターブーツのバンディングには、
このタイプを使用するのが相応しい。
この「かしめタイプ」で、ツメを合わせるところが何段階にもなっている
汎用品があるそうだ。これなら安心と思われる。
ここで再度、A'課長は
「ウチ(D)で作業した内容の保証整備なので・・・そのカシメタイプで汎用のバンドを
手配するから、次回も当社(D)で・・・」とくいさがるが、
正確な作業が出来ず、再度足を運ぶ羽目になることが多かったことと、
知識、技術ともに不安を感じるので、再度立ち会いをしなければ気が済まないし、
そうすることが非常にストレスに感じるという旨を告げ、
今後の作業は(M)にて行うことで話しがついた。
この時点で、もうすでに夕方7時を回っていた。
お猿号は実はこの時点で(↑)夏タイヤです。
P.S.
正しい工具を使ったとしても、このツメタイプのバンド装着には
非常に強い力が必要で、取りつけはきわめて困難である。
しかしながら、Dは、取り扱い車種の整備方法に不案内で、
このバンド自体が、取り扱い困難であることも
認知していなかった。
A’氏曰く、「このようなことになるとは、正直予想してなかった・・・」
「アルファロメオ車ではいつも国産車用の弱いバンドで対応していたので、
純正部品を使用したことはなかった」だって(笑)
4/9 ガレージMの森にて再整備
本日、ガレージM(以下(M)と略す)
にて左ドライブシャフトのアウターブーツ外側バンドを交換しに、
ガレージMに行ってきた。
早速作業してるところをおじゃまさせて頂いたのだが、
(M)のメカニック氏は、外側バンドの取りつけ状態をシャフトを回転させて全周確認し、
バンド部分を揺すって、「がたつき」や「緩み」の点検を入念に行っているのを見ていると
なんとも安心感を感じる。
さらに、Dが依頼してるのは外側のバンド交換だけにも関わらず、おもむろに
内側のバンドも交換し始めた。「あれれ?」と思ってよ〜く見てみると、
内側のバンドのところから、再度CVJグリースが漏れだしていたのだ!*
作業終了時にメカニック氏は、「今日交換したところ(2本のバンド)は
他のところより綺麗に装着できました」、と。
*純正のバンドを使っているが、カシメが甘く、歪みも見られた。
作業後1週間で漏れだしたということだ。
因みに、右側は異常は見られなかった。